KALI(カリ)の語源は、「手と体の動き」という意味を表す言葉であり、カリとシラットの2系統の稽古体系となります。
フィリピン武術カリ・シラットはスティック、ナイフ他、様々な種類の武器術はもちろん、徒手での技術体系も沢山存在します。ジークンドーをブルース・リー師祖と共に作り上げたダン・イノサント師公との交流の中で共に高めたカリの技術は、師祖の映画の中でそのエッセンスが描かれています。
ヌンチャク(実際はタバクトヨクという)はあまりにも有名ですが、師祖が映画で見せていたこのテクニックも、イノサント師公から得たフィリピン武術カリの技術体系と言われています。
昨今非常に物騒な世の中において、いつ何時、暴漢に襲われるかもしれない中、こうした技術は必ず役にたつものとして見直されています。
<カリ稽古内容>
・ダブルスティック
・シングルスティック
・ロングスティック(シバット)
・スティック&ナイフ(エスパダイダガ)
・ナイフ(ダガ)
<シラット稽古内容>
・徒手(素手)と体捌きによる各種技術が多数存在
【KALI(カリ)】
⚫︎ダブルスティック
そもそもカリでは、スティックを総称として「オリシ」といいます。2本のスティックを両腕の延長として自由自在に扱えるように、様々なパターンの対連稽古が存在します。小気味良い音をたてながらリズミカルに叩き合う稽古は、脳も刺激され非常にテンションがあがります。


⚫︎シングルスティック
攻守それぞれ1本のみのスティック対連にも、ダブルスティック同様にたくさんの対連パターンが存在します。主に1本のみのスティック同士のでは、相手の攻撃をかわしながら武器を奪ってしまう「武装解除」のテクニック(ディスアーム)が代表的で、技の種類は大量に存在します。シングルスティック同士の場合や、シングルスティック対素手の場合など、あらゆる状況に応じた稽古があります。特に相手の武器を奪う技は護身術として非常に役立つ内容です。


⚫︎ロングスティック(シバット)
代表的なスティックの長さは70cmのものを使用しますが、カリでは時として長いサイズのスティックを用いた稽古も存在します。支部稽古では2本のスティックをテープで連結固定し、長いサイズのスティック対連を応用しています。これは本場イノサントアカデミーでも行われている練習法だそうです。このようにカリでは、様々な武器のサイズに応じ、それらすべての間合いを把握する感覚が問われる武術であり、非常に脳を刺激されるものといえます。


⚫︎スティック&ナイフ(エスパダイダガ)
片手にシングルスティック、片手にナイフというパターンの対連もカリの代表的な稽古です。2種類の異なる長さの武器を巧みに扱いながら、相手の攻撃を絶妙に遮ったり武器を奪ったり、固めてしまうテクニック(クンシーという)など、方法は非常に多岐に渡ります。


⚫︎ナイフ(ダガ)
これこそ昨今非常に深刻な問題とも言える刃物による殺傷事件の大きな備えに繋がる要素かもしれません。カリでは木製あるいはプラスティック製のダミーナイフを使って、ありとあらゆる攻撃の対処法を学びます。ナイフ対ナイフのドリルも多数存在しますが、特に必要とされるのは、やはりナイフ対素手の稽古です。相手の刃物を持って襲ってきた時、とっさに反応し対処できる技術を多くの方に身につけてもらいたいものです。


⚫︎バリソンナイフ(バタフライナイフ)
ダンイノサント師公の教えによる稽古体系には、バリソンナイフの扱い方も存在します。頻繁に行う稽古メニューではありませんが、少なからずこうしたトリッキーな武器の扱い方にの触れております。




⚫︎タバクトヨク(ヌンチャク)
支部稽古ではバリソンナイフ同様、あまり頻繁には行っておりませんが、ブルース・リー師祖といえばヌンチャク、日本の沖縄の古武術とは異なり、正式名称はタバクトヨクというフィリピンの武器といわれています。ヌンチャクはあまりにも有名ですが、師祖が映画で見せていたこのテクニックのほとんどはイノサント師公から得たフィリピン武術カリの技術体系と言われています。


【シラット】
IUMAでは「カリシラット」として一括りにして総合的に学んでいますが、厳密に言うとこれらはそれぞれ異なる別の武術です。主にはそれぞれの特性を組み合わせた稽古をしています。シラットでは主に徒手同士、相手の攻撃をいかにして自身の動作で最小限に食い止め、同時に相手の体制を崩し、テイクダウンさせる、といった効果的な体の使い方が非常に特徴的な武術といえます。これらの代表的なテクニックもカリ同様に支部稽古で取り組んでいます。


⚫︎ロックフロー(連続関節技)
こちらもシラットの技術体系として、相手の指関節、手首関節、腕関節、肩関節を執拗に攻め続け延々に連ねていく関節技の連続フローテクニックです。相手の放った1発のパンチを捌き、同時に手を捕獲したら、そこから一切その手を離すことなく一気に20種類の関節技を絶え間なく仕掛けていく技術が、所属メンバーたちに非常に人気があります。




以上、ここに紹介した他にもジークンドー同様、フィリピン武術カリ・シラットも稽古法やトレーニング法は数えきれないほど大量に存在し、多岐に渡ります。これらも可能な限り在籍メンバーにシェアし続けています。
※IUMAの支部活動の稽古比率として、ジークンドー稽古の方が若干重きを置かれており、1回の稽古時間の配分は一般的に2/3がジークンドー稽古、1/3がカリシラットの稽古となります。しかし、時折1回の稽古(90〜120分)全てをカリシラットのみ行う稽古日にしたりと工夫もしています。
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